 超!欲しいわけでもないが、超!いらないというわけでもなく、でもなんとなく!欲しいと思ってた物、それは天体望遠鏡!! 一年近く前にそんな事書いたわけだが、未だに迷ってたりもする。んでついに買ったのだ。 2000円の中古を。 なんとちっちゃい奴だ。だって2000円ならハズしても損した気分にはならんでしょ?定価4万って書いてたし悪くないかもしれないし・・・・ 物としては小型だ。お試しのお入門として仮にゴミ望遠鏡だったとしても押入れに押し込むにも苦じゃない大きさだ。
今まで全く天体望遠鏡というものに触れなかっただけに、構造や使い方を理解してなかったわけだが、これがどうして使ってみると意外とムズい。 買ってすぐに使いこなせる初級者はまずいないと思う。使い方を理解したとしても、実際使うのにコツがいるのだ。 まず小型のスコープを覗いてターゲットを絞り、それから普通のレンズでピントを合わせるわけだが、 このスコープそのものの調整が必要なんだよな。ネジで光軸を合わせる、そうしないと目的の天体にピントを合わせるのが困難となる。 だが光軸の調整が非常にムズい。なぜならば揺れるから。なぜならば三脚がショボィから。 三脚は天体望遠鏡では非常に、非常に重要な部分であり、どんなに高性能な望遠鏡でも三脚がダメだと何もかもがダメになってしまう。 何百倍という倍率があったとしても、簡単に言うとその分倍率分だけブレが大きくなってしまう。天体観測はある意味超精密顕微鏡のようなものだ。 つまり高性能高級天体望遠鏡は高性能高級三脚でもあるわけだ。 そして入門向けで初心者向けの本製品は三脚がショボィ。正確には元々付いてた三脚はあまりにも低く、幼稚園児でもなければとても使い物にならないものだった。 なのでカメラ用の三脚に交換したわけだが、数千円で売ってるやつよりはガッチリしてるものを使っても望遠鏡には役不足。 ちょっと動かすだけでもグラグラ、微調整しようと動かすととんでもない所に行ってしまったりと、正直かなりムリゲー状態だ。 だから光軸合わせそのものが困難なのだ。どうしてもズレるからな。レンズとスコープとの差が全く無い状態が理想だが、ある程度の所で妥協する。するしかない。
だからまぁやはり安物は安物に過ぎないのだが、どんなに安物で粗悪品な望遠鏡だとしても楽しめる天体がある。 それは月だ。月のような巨大な天体ならば光軸がズレていようと三脚がガタガタだろうとレンズに入れられる。 つまりは月は天体観測の入門中の入門。まずはここからだろう。っていうか無数にある星を適当に捉えてもレンズに映るのはただの点、だ。 ズレてるスコープ、ブレる三脚でなんとか月を捉えると月が映った。おお。これが月か。 月とバカにする事なかれ。拡大した月は実に神秘的だ。クレーターが無数にあり、大げさに言うと月に降り立った気分になれる。ゴメン、大げさすぎた。 だが月という「世界」を上空から見下ろしてるような気分になれるのだ。 だって宇宙から地球見下ろせる?宇宙旅行した人にしかできないでしょ?それが望遠鏡一つで月をファインダーいっぱいで見下ろせる(見上げる?)ってのはよくよく考えれば凄い事なのだ。 これは実際に見て見ないと実感できない事だと思う。
ついでに月の近くの星も見て見た。 ・・・・わっかがある・・・・・ やべぇ、土星だ・・・・すごく小さいが確かに輪がある天体だ。間違いなく土星だ。 初めて望遠鏡で月見てその後すぐに土星見れるとか出来すぎだ。 50倍でも見れるのね。普段我々がなんて事なく星の一部と思ってた天体が実は土星だったり木星だったりしてたわけだ。 これはかなり重要な事でもある。土星を「この目で見た」ってのは実に感動的な事である。 もちろん写真でならもっと大きく綺麗で繊細な天体は見れる。だが「この眼」で見る事こそに意義がある。 なぜならばこの眼、で見なければ土星や木星などのそれは「どこかに存在してるであろうファンタジーの存在」に過ぎないからだ。 この目で見て実在している事を実感できるのは実は感動的な事なのだ。 あんな巨大で遙か遠くの天体が実在しこの目で見れる、それはこの宇宙が確実に存在しその中に我々がいる、そんな当たり前だが忘れがちな事を実感できるのだ。
そしてこれらの天体ショーは望遠鏡さえあれば無料で何時間でも見れる。 これは大金をはたいて海外に行く事を考えれば極めてコストパフォーマンスに優れたエンターテイメントである。 星なんてありふれたものではあるが、身近故みんなこの素晴らしさに気づいていないのだ。 もちろん旅行も貴重な体験である。しかし身近ながらエンターテイメントでもある宇宙にも気づくべきだと思うのだ。
我々は映像やレンズなどはスペックで判断しがち。 1000万画素、2000万画素、200倍、500倍、などなど・・・ 巷で売られている5000円ぐらいの安物天体望遠鏡なども、250倍などと売り文句を書いてたりするわけだ。 だがデジカメもそうであるようにケータイ内蔵の1000万画素のデジカメ機能と1000万画素の一眼レフのデジカメとは同じ1000万画素でも違う。 何が違うかと言うと当然レンズ、だ。 結局のところ、美しく撮る・見るためには「いかに光を集めるか」にかかっている。つまりどれだけレンズが大きいか、だ。 だから単にピクセル(ドット)が多い「だけ」のケータイカメラ等の1000万画素、ピクセル全て繊細に情報が記憶されてる一眼レフの1000万画素は違うというわけだ。 未だに勘違いしてる人も多いが、デジカメは画素数が大きければキレイに撮れるわけではない。画素数のスペックは所詮ピクセルの数に過ぎないからだ。 それと同じ。天体望遠鏡も倍率だけならいくらでも上げられる。だがレンズが小さいものではいくら倍率を上げようとボヤけた絵や暗い絵しか映らないのだ。 つまりは望遠鏡はレンズの大きさが全て。レンズの直径によって適正倍率が決まってくるのだ。大きなレンズはより高い倍率を、小さなレンズは低い倍率を。 それぞれ身の丈に合った倍率があるのだ。だからホームセンターや電気店で売ってる安物は「250倍」などと書いてたりするがほとんど詐欺みたいなものらしい。
では小さな望遠鏡はダメなのか?いいえ。もちろん小さな望遠鏡は小さいなりのメリットがある。 そう、小ささだ。いくら超倍率の望遠鏡でも数十キロの重さで数メートルのものでは運ぶ気すら失せるだろう。 小ささは機動性で勝負!!ってわけだ。基本的に大きい望遠鏡は高く、小さいものは安いが、稀に小さくても高価な望遠鏡もある。 それは機動性を重視しつつも決してクオリティを落とさない「小さな高級機」ってわけだ。 軽自動車にも60万で買えるものもあれば200万するものもある。望遠鏡も小さいけど高品質ってのもあるわけで。 小さく軽いから持ち運びが苦じゃなく頻繁に観測ができる。いくら高性能でもめんどくさがって使わなければ「無い」のと同じだ。 では高品質とは?先に言った三脚もそうだが、基本中の基本、レンズや筒の精度だ。 当然何倍もの倍率で遠くを見るものだから精度が悪くちゃ話にならない。逆に言うとそれだけがしっかりしてれば望遠鏡として完成している。 つまりは望遠鏡は最新だろうが旧型だろうが根本的な事は変わらないのだ。「どれだけしっかり作ってるか」だ。 そして望遠鏡そのものは枯れた技術と言えよう。だから元値が高いものならば中古でも問題ないはずだし運が良ければ良品を手に入れる事だってできるのだ。 もっとも、中古は内部にカビが発生したり、レンズの規格が今のものと合わなかったりして、それはそれでデメリットもあるのだが。 ちなみに最新という意味でのトレンドは、スマホ・GPS連動で目的の天体を望遠鏡で自動で追尾してくれるもの。 しかし自動追尾機能は当然高く、安くても10万はするのだ。
ってわけで、2000円の中古とは言え、元はそれなりの価格。だから入門には丁度良かったと思うのだ。 2000円のジャンク品故に、一部のレンズが壊れてたりするがまぁそれも安物だけに仕方ない。 土星はわりと観測しやすく満足度がある天体ではあるのだが、それ以外の天体となると何を観測すればいいか勉強不足だ。 50倍の倍率で星雲などが見れるのかどうか?色々見てみるしかない。 逆に実のところ、かなり高価な望遠鏡でも土星は小さく見える程度のものが多く、つまり今よりもっと良い物を、と思えば中途半端な価格のものでは大差が無いのかもしれないのだ。 もっと良く見たい、もっと美しいものを見たい、となると最低でも5万、普通でも10万は必要のようだ。 望遠鏡の構造もわかったし、次買うとしたらどんな天体望遠鏡がいいかな? |
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