たまたま観たアニメ「新世界より」が面白い。
テレビ朝日製作の？珍しい深夜アニメなので？田舎では放送してなかったのだが、
ＣＳ無料放送時に一挙放送してたので観る事ができたのだ。
現在より１０００年後の新世界・新人類のお話って事で、名前だけだと萌えアニメだと思ってた。
ってのも以前に「神のみぞ知るセカイ」っつーお漫画・アニメあったじゃん？
大層なお名前で大層壮大な物語かと思いきや、単にハーレム系の萌えアニメだったという。
だから「新世界より」と同じような響きだと同じようなもんだと思うじゃん？
ところが全然シリアスで全然シビアな話だったりする。
今から１０００年後って事だが、文明は崩壊してて昭和初期のような田園風景が広がる自給自足に近い生活をしてるようだ。
だが、住民の全てが呪力と呼ばれる念力を使え・・・つまり超能力が使えたりする。
一見、のどかで平和な生活を送っているようだが・・・・
幼少の頃はその呪力は使えないようだが、小学生高学年ぐらいの歳だろうか？
その頃になると突然ポルターガイストのように周りの物が浮き、暴走し呪力に目覚める。いわゆるお赤飯、ってやつだ。
呪力に目覚めた子供達はそこで初めて呪力を訓練する学校に入る事ができる。
主人公早季はわりと遅めに呪力に目覚めた少女。
すでに学校に入ってて疎遠になってた友達とやっと再会できる。
そこで呪力の勉強をしつつも楽しい学校生活を送っていたのだが・・・・
ある時キャンプの野外授業中に、禁じられた地帯に友人と共に入ってしまう。
そこで自立型図書館というデータベースを見てしまう。
そこには過去の歴史が納められていて、人類の過去を知ってしまう事になるのだ。
我々の言う所の現代の頃、少数ながら超能力に目覚める人が現れる。
超能力者は次第に数を増し、全人口の０．３％ぐらいに数を増やす。
その中から超能力を使い犯罪を起こす者も現れ、次第に普通の人と超能力者が疑心暗鬼になり戦争が起きてしまう。
その結果人口は激減し、かつての数パーセント程度になってしまったというのだ。
つまり主人公達はその超能力者の末裔であるわけだが、そこで疑問がおきる。
呪力に目覚めなかった子供は？能力が低い、素行が悪い生徒はどうなるの？
よくよく考え返してみれば、子供が化物に連れて行かれる伝説があったり、成績の悪い生徒が突然いなくなったりと思い当たる節があるのだ。
超能力者とそうでなかった者達の歴史からするに、大人達は同じ轍は踏まないと厳しい管理をしてると想像できる。
つまり非・低能力者や素行の悪い生徒は「処理」される。
それも大っぴらに事が起きるのではなく、「いつの間にか」いなくなってしまうのだ。
これって凄く怖い。大人達に対抗できるはずもない子供達が成すすべなく、知らぬうちに処分されてしまうのだ。
しかも知ってはいけない事を知ってしまった主人公達は死刑宣告もされたも同然。
同時に化物たちの争いにも巻き込まれ実際に命の危機にも脅かされるが、
目の前の危機と見えない危機（大人が自分達を処理する可能性）の２つの恐怖に震える事になる。
むしろ怖いのが「知ってはいけない事を知った自分達の事を大人達はすでに知ってる？」という疑心暗鬼な所で、
見えないからこそ怖い。まだわからないからこそ怖い、という「社会の闇」感がすごーく恐怖を感じるんだよな。
だから観ててかなりハラハラドキドキ。単純に敵が現れてピンチ！的なありふれたピンチ演出ではない所が新鮮。
そこんところの恐怖感ってのはどうやら原作者はホラー作家のようだ。なので恐怖演出は心得てる模様。
最近公開された悪の教典って映画も同じ作者だったりする。
この設定って、よく考えてみるとディストピアってやつだな。「管理社会」ってやつ。
国民一人一人が社会に厳格に管理されていて、少しでもルールから外れた人間は容赦なく、知らぬ間に処分される。
なんかこのディストピア設定って最近微妙に流行ってる気がする。
代表的なのがサイコパスでしょ？ロボティック・ノーツも黒幕がディストピアを狙ってるって話だし。
ディストピアってのは、知らなければ幸せって世界なわけでして、その裏側を一度見てしまえば確実に殺されるという・・・・
そう、知らなければ、決められたルールを守ってさえいれば社会がホイホイ物事を決めてくれて楽なのだ。
多分つかたんみたいなのはディストピアの方がいいのかもしれない。君は今の社会とディストピア社会、どっちを選ぶ？ |
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